はじめに
今回は夜を駆け抜ける列車のお話。
イギリスでは現在も2つの寝台列車が運行していて、一つはスコットランド方面に向かう「カレドニアンスリーパー(Caledonian Sleeper)」、もう一つが今回ご紹介する「ナイトリビエラ(Night Riviera)」です。
ロンドンとグレートブリテン島の西の端、ペンザンスを結ぶこの寝台列車。列車の運行はGWR(Great Western Railway)が行っています。
もくじ
乗るきっかけ
折角英国に行くことだし、やはり乗り鉄として何か面白いモノに乗りたい気持ちが強く、前々からこの列車の存在を知っていたこと、そして訪れる予定の方面へと走っているので行程に組み込むのが可能だったこともあり、乗ることに決めました。
予約
乗ることに決めましたと言っても、まずは予約しないことには何も始まりません。
よーし予約だ!と思い、とりあえず運行会社であるGWRの公式サイトにアクセス。
今回の旅行では、鉄道の移動時にはブリットレイルパス(所謂乗り放題券)を使う予定だったので、どうにか寝台券だけ予約する方法がないか探しました。
しかしながら、GWRの公式サイトからは寝台券のみの予約は不可能で、現地の窓口か電話で予約とのこと。
結局は乗車券代金が余計に掛かるものの、公式サイトで予約。
予約番号を控え、いざ現地へ。
出発の地、パディントン駅
パディントン駅に到着したのは夕方18時過ぎ。ナイトリビエラの発車時刻は23時45分で、まだまだ時間は十分にあります。
しかし滞在二日目ながら時差ボケも治らず、一日中ロンドンを見て回り既に体はヘトヘト、駅にある店で食事を済ませてからファーストクラスラウンジで一息つくことに。
パディントン駅のファーストクラスラウンジは1番線ホームにあり、寝台車の切符を持っていれば無料で利用できます。受付で切符を見せて中へ入ります。
画質が少し悪いですが、中の写真がこちら。ラウンジでは水やジュースやお茶などの飲み物の他、ポテトチップスやビスケット等の軽食類も無料で頂けました。
ラウンジ内にはトイレ、シャワーもあります。特にトイレはわざわざラウンジの外に出る必要がないのが楽でした。
ソファに腰かけ、スマホでツイッターを見たり、売店で買った鉄道雑誌をめくりつつ過ごしました。
少し眠気も出てきた21時過ぎ、今夜の宿であるNight Rivieraが入線。
22時過ぎ、列車に乗車できるようになったので乗車。
車内
車内に乗り込み、切符を見ながら割り当てられた部屋を探します。
こちらは廊下の様子。幅はかなり狭く、人とすれ違うのは難しそうです。
二人用個室の様子がコチラ。下段には少々出っ張りがある関係で、上段の方が少しベッド幅が広いようです。
右奥に見えるのがテーブル兼洗面器。フタを開けると洗面器になります。
ベッドの上には寝台列車のパンフレットとタオル、テーブルの上には小さな石鹸が置いてありました。
下段のベッド下には空間があり、大きなスーツケースも収納が可能で便利でした。
客車自体は少し古いものの、リニューアル工事を終えたばかりで古さを感じない綺麗で清潔な車内でした。
部屋の中にはコンセント一つ、USBポートが二つあり充電に利用できます。
乗車後しばらくして切符の確認、部屋の設備についての説明と、朝食のメニューを聞かれました。
この日の編成はこちら
ディーゼル機関車が前後に連結されていました。(画像参照)
いざペンザンスへ
23時45分、列車は定刻通りパディントン駅を出発。
ベッドはフカフカで寝心地は大変よいものでした。
思っていた程の揺れもなく、そして客車列車の為に騒音も少ない為、快適ですぐに眠りについてしまいました。(写真ないのは寝てたからです)
寝ている間にも列車はどんどん西へ進んでいきます。最初に目が覚めたのは日付が変わって時刻は午前3時過ぎ、ロンドンから西に約250キロのエクセターに定刻で到着するところでした。
この駅では約1時間程停車します。
写真がブレブレですが、次に目が覚めたのがプリマス駅。
時計を見ると既に6時20分過ぎ、所定ダイヤより約40分遅れでの発車でした。
プリマスを出てしばらくすると、デボンとコンウォールの境目、1859年に完成したロイヤルアルバート橋を渡ります。橋を渡るとコンウォールです。
風景を見ながら朝食を頂きます。選んだのはハムサンドと紅茶。(肝心の写真を撮り忘れました殴)
列車が遅れていたのもあり、ゆっくりと朝食をとれました。
時折駅に停車しつつ、列車はペンザンスに向かいます。
ペンザンスに到着するまではラウンジカーに行ってみたり、荷物をまとめたりしていました。
~ペンザンス駅に到着~
窓に目をやると、海が近づいてきました。もうすぐペンザンス駅です。
結局遅れは回復せず、40分遅れでの到着となりました。忘れ物がないかよく確認して、ホームに降り立ちます。
ロンドンから約8時間、このナイトリビエラの終点、ペンザンス駅に到着です。
線路の終端部から乗ってきたナイトリビエラをパシャリ、ちょうど普通列車が入線してきました。
まとめ
少々お値段は張りますが、まだまだ乗っていたいと思える程の快適さでした。
英国では数少ない寝台列車の旅が体験でき、寝台列車ならではの旅情を味わうことも可能です。
特にこの区間は移動時間は長い為、夜間に移動できて、到着地で朝から活動できるのが寝台列車の大きなメリットです。ペンザンス近辺の観光地を訪れる際には、特に便利です。
ただ列車が大幅に遅れる場合もあるので、なるべく余裕のある行程にされるとよいかと思います。
乗車データ
列車番号:1C99 London Paddington to Penzance
乗車日:2019/03/22~23
乗車車両 Mark 3 SLEP
お読み頂きありがとうございました。
追記
寝台列車を降りた後に訪れた、セントアイヴスについても記事にしました。もしよろしければこちらもどうぞ。